はじめに
こんにちは。あーくんです。
8月頭に行われた殿堂入りから数週間。2回の超CSを超え、現環境にも少しずつ答えが出つつあります。
【ファイアー・バード】亡き後、玉座に座ったのは【水単サイバー】の軍勢でした。
その圧倒的な力と、それに抗う者たちのデュエル・マスターズが、これより始まります。
あなたは【サイバー】を使いますか?それとも、メタる側に回りますか?その手がかりをこの連載から掴んでもらえれば幸いです。
それではオリジナル環境解説2025年8月編、スタートです!
2025年8月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
大会環境の母数は日々によって変わるため、デッキごとの相性や強度をベースに考えを記載していきます。
Tier1
【水単サイバー】Tier1


未来を予想します。ここから2月までこの連載はこの見出しから始まります。
3tループが殴れて?AOEトリガーを積める??
殿堂直後の環境は、要素だけでも歴代最強クラスのデッキに支配されてしまいました。
上位の入賞率はなんと安定して3割越え。普通に事件だろこれ。
3t《マクスハト》による上振れに加え、《アストラル・ハート》のリソース補強と《黄昏ミミ&トワイライトMk.3-挑戦のヒロイン-》の無制限除去があるため、ショートゲームとレイトゲームの両方に完全対応しています。
構築はフィニッシュ部分で差が出るようになっており、大きく分けると往年の「Nパクリオ」と《〜墓碑に刻まれし魔弾の名〜》を使ったロックループの二つが挙げられます。

【 クリーチャー 】
種族 サイバー・コマンド / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーは自身の手札と墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、それぞれ、5枚カードを引く。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)

【 クリーチャー 】
種族 サイバーロード / 文明 水 / パワー1000 / コスト4
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見る。その中から1枚選び、裏向きにして相手のシールドに加えてもよい。
この2つのどちらともに優位性がありますが、現在は《〜墓碑に刻まれし魔弾の名〜》フィニッシュのほうが主流となっているように見受けられます。

【 クリーチャー 】
種族 ダークロード / ドラゴン・ゾンビ / スチーム・ナイト / フュージョナー / 文明 闇 / パワー4000 / コスト4
■このクリーチャーが出た時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。その後、その捨てたカードのコストと同じ枚数、自分の山札の上から墓地に置いてもよい。
■超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える)
■このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーよりコストが小さいクリーチャーを1体、自分の墓地から出してもよい。このターン、そのクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃でき、このターンの終わりに山札の下に置かれる。
ループデッキとして見たときの性能の高さも十分ですが、主軸となっている《愛銀河 マーキュリー・スターフォージ》のパンチ力、そしてメタ超えの性能は歴代の最強カードと比較しても相当高いものになっており、ループを止めるだけではこのデッキの対応ができたとは言えないのが非常に厄介なデッキだと言えます。
両面対応の最強デッキということで、この後殿堂入りまで暴れるのは想像に難くありません。まずは手にとってこのデッキのぶっ飛び具合に触れていただければ幸いです。
【ドリームメイト】Tier1


3キルが環境に闊歩するなら、こっちは実質2キルを行う。そんな思想を体現する超速のコンボデッキとして確かな存在感を示しています。
他の対面を見ても、最も苦手だった【ファイアー・バード】から《突撃インタビュー》がもがれたことでこのデッキの立ち位置が向上しています。
恒例のメタ枠として今回も出てきた《かぼちゃうちゃう》採用……ではくっつきが悪く、突破もされやすかったため、より取り回しがいい《ベイB セガーレ》を採用した構築が台頭しました。

【 クリーチャー 】
種族 ミルクボーイ / 文明 自然 / パワー6000 / コスト1
■このクリーチャーは攻撃できない。
■相手が、自身のマナゾーンのカードの枚数よりコストが大きいクリーチャーを出す時、相手はそれをかわりにマナゾーンに置き、その後、自分はこのクリーチャーをマナゾーンに置く。
こちらは超CSVIII大阪で3面【ドリームメイト】という覚悟を決め切ったチームのリストとなっております。
このカードの最大のポイントは、突破にあたり自分のマナも伸びること。それによりメタカードを置くことによるテンポの損を回収することができます。
《魔誕幻獣ボンメェ》によるエレメント除去も強力で、《アストラルの海幻》などを切り崩しながら一方的な展開を作ることが可能となっております。
デッキの性質上、上振れと下振れが激しいのが難点ですが、こちらも殴れるソリティアであり、速度だけ見れば【サイバー】に優位がついているのは間違いないため、今後も環境内ではしっかりポジションを確立することでしょう。
【ファイアー・バード】Tier1


お前マジで何回目だよ!!!と叫びたくなるこのカードですが、今回ばかりは流石にスレスレのtier1です。
【サイバー】と【ドリームメイト】が定義した先攻のアドバンテージが特に強い今環境において、このデッキは特にその毛色が強く光ります。
その要因がいつもの大将《ハッター・ルピア》と、新たな切り札《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》。

【 ドリーム・クリーチャー 】
種族 デモニオ / 文明 闇/火 / パワー11000 / コスト8
■ハイパーエナジー
■W・ブレイカー
■自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■このクリーチャーが出た時、相手は自身の、シールドを3つ、手札を2枚、クリーチャーを1体選び、自身の残りのシールドと手札、クリーチャーをすべて墓地に置く。
■各ターン、はじめてこのクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から2枚を墓地に置いてもよい。その後、闇または火の、コスト6以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
《アリスの突撃インタビュー》や《雷炎翔鎧バルピアレスク》を失い、長いゲームが難しくなったこのデッキにおいて、4tの動きでありつつフィニッシャーになるこのカードの強さが際立ちます。
【グランセクト】に対して《ポッピ・冠・ラッキー》、後ろに構えるデッキに対して《ジャオウガ》、【サイバー】や【ドリームメイト】に対しての《ハッター・ルピア》と、各デッキに対する牽制も充分。
特に《ジャオウガ》は流行りの受けである《ルード・ザーナ》に対してハンデスが突き刺さるのもいいですね。
弱点はとにかく後攻の弱さ。《突撃インタビュー》がないため取られたマウントを捲ることが非常に難しいデッキになっています。
そのため現在は、《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》や《空奏力 ナイン》など、後手番からゲームを組み立てるカードが評価されている状態になっています。

【 ツインパクトカード 】
種族 メタリカ / 文明 光 / パワー2000 / コスト2
■相手のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが大きいクリーチャーを相手がバトルゾーンに出した時、相手はそれを自身の山札の一番下に置く。
────────────呪文────────────
カード名:ジャミング・チャフ
文明:光
コスト:5マナ
■次の自分のターンのはじめまで、相手は呪文を唱えられない。
■カードを1枚引く。

【 クリーチャー 】
種族 マジック・アウトレイジ / 文明 火 / パワー2000 / コスト4
■G・ゼロ:自分のマナゾーンにカードが4枚以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
《バルピアレスク》という頭を完全に落とされ、《突撃インタビュー》という翼ももがれた今の【ファイアー・バード】は《ハッター》と《ハンプティ》を基軸とした【デイガグッドスタッフビートダウン】です。
更にこれからどんどんキメラ化が進むと思われますが、種族に偏重している現代デュエル・マスターズにおいて、ビートダウンの行末がどうなるかは見どころの一つです。
ぜひみなさん、今後も長い付き合いをしましょう。
Tier2
【自然単グランセクト】Tier2


【ドリームメイト】と【ファイアー・バード】にいじめられ、【サイバー】とはメタクリーチャー込の最大値勝負。という自分より速いデッキに阻まれ、ギリギリtier2程度に落ち着いてしまったのが、25年夏における【グランセクト】、通称キャベツの現状です。
それでも、メタクリーチャーの展開を内包しつつ最速4tに《地封龍 ギャイア》が立つその制圧力は圧倒的なもの。

【 クリーチャー 】
種族 ガイア・コマンド・ドラゴン / 暴拳王国 / 文明 自然 / パワー18000 / コスト9
■Q・ブレイカー
■相手の「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力を持つクリーチャーがバトルゾーンに出る時、相手はかわりにそのクリーチャーをマナゾーンに置く。
■自分のターン中、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。
自分より遅いデッキをいじめ抜く、いわゆる足切りデッキのポジションを確立しています。
プレイが単調であることから好みは分かれますが、個人的には太いルートがそのまま勝ちに直結するというのはデッキとして高く評価するべきポイントだと思います。
《ジャンボ・ラパダイス》でゲームを壊せることからも根強いファンがおり、今後も環境の一角で強い存在感を放つことでしょう。
【トリーヴァアルファディオス】Tier2


以前は【巨大アルファディオス】が流行っていましたが、「アルファディオスの書」の発売により純正メタコントロールデッキとしてメタゲームに現れました。
《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》、《理想と平和の決断》によるリソース獲得と、《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を始めとするメタ能力。

【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド・ドラゴン / 革命軍 / ドレミ団 / 文明 水 / パワー8000 / コスト6
■G・ストライク
■ブロッカー
■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■相手がカードを実行した時、自分はカードを1枚引いてもよい。このターン、相手のクリーチャーは攻撃できない。
そして《王導精霊 アルファディオス》から射出される聖霊王が速やかにゲームを畳むため、コントロール特有の長引いて相手の引きが強くて負けという試合も比較的少ないのが魅力だと言えるでしょう。

【 NEOドリーム・クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / 文明 光/水/自然 / パワー12500 / コスト7
■自分のマナゾーンにエンジェル・コマンド・カードが3枚以上あれば、このクリーチャーを[光/水/自然(5)]支払って召喚してもよい。
■NEO進化:光、水、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■超魂レイド
■T・ブレイカー
■相手は光ではない呪文を唱えられない。
■このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーに含まれるカード1枚につき、カードを1枚引いてもよい。その後、エンジェル・コマンドを1つ、自分の手札から出してもよい。
対【サイバー】には大体勝率5割ほど、丁度先手が綺麗に勝利するようなイメージで問題ないです。今後も色の合う強力なカードが出れば出るほど強くなるため、要注目のアーキタイプであるといえます。
Tier3
【水自然ジャイアント】Tier3


メタコントロールの代表格、【ジャイアント】もいまだに環境に残っています。
現在注目されているのは《ベニジシ・スパイダー》。ほぼ【サイバー】一点狙いのカードですが、それが肯定されるほど現在の【サイバー】は圧倒的な強さを誇っています。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・インセクト / 文明 自然 / パワー4000 / コスト5
リベンジ・チャンス-各ターンの終わりに、相手がそのターン、カードを3枚以上引いていた場合、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
また、少しずつですが《チアスペース アカネ》を採用しない構築も増えてきており、環境に対する適応力を見せてきています。
なんだかんだ言っても全国大会で通用したほどのデッキではありますし、【ファイアー・バード】や【ドリームメイト】に対しては依然として有利に立ち回ることもできるため、今後少しずつ数が増えていくのではないでしょうか。
【火水マジック】Tier3


みんな大好き【マジック】が、【サイバー】を倒すために帰ってきました。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》がなくなった穴を埋めるのは《ゴルパガーニ-A7 / ダウンフォース・サーキュラー》。この一枚で、《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を盤面に固めることにより、【サイバー】に対して強く出ることを意識しています。

【 ツインパクトカード 】
種族 メカ・デル・ディネロ / メカ・デル・テック / 文明 光 / パワー12500 / コスト7
種族:メカ・デル・ディネロ
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
■自分のメカ・デル・ステラすべてに「ブロッカー」を与える。
────────────呪文────────────
カード名:ダウンフォース・サーキュラー
文明:光
コスト:3マナ
種族:メカ・デル・テック
■次の自分のターンのはじめまで、自分のクリーチャーは離れない。
また、《氷柱と炎弧の決断》によって《一音の妖精》を添えながら詰める手段も確保されており、開拓途中ながらも環境で戦える要件は満たしつつあります。
【ペテンシーフシギバース】Tier3


いくつか台頭してきている《真気楼と誠偽感の決断》系列のデッキですが、今回はこちらを紹介いたします。
《逆転の影ガレック》が殿堂入りし、環境から退くかと思われましたが、《Dの天災 海底研究所》などを携え、無事リペアに成功しました。

【 D2フィールド 】
文明 水 / コスト2
■このD2フィールドが出た時、カードを1枚引く。
■自分の進化クリーチャーはブロックされない。
■相手の進化クリーチャーは、出たターン攻撃できない。
(他のD2フィールドが出た時、このD2フィールドを破壊する。)
わからん殺しに加え、【サイバー】を強く意識したこのデッキは、最大値をぶつけられる以外での負けも少なく、コントロールデッキ使いがこぞって注目を集めています。
フィニッシャーも《CRYMAX ジャオウガ》を始め、従来の大型フシギバースを使う構築もあるなど、まだまだ開拓が進む、注目のデッキと言えるでしょう。
【ジョーカーズ】Tier3


最後に紹介するのが、環境外から現れた元祖新章種族デッキ、【ジョーカーズ】です。
以前は【ファイアー・バード】が、特に《突撃インタビュー》による面散らしが致命的にキツかったこの種族は、夏の殿堂で立ち位置が向上し、着々と使用者を増やしています。
《ベイビーポンの助》と《夢の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》による強烈なメタ性能の評価が高く、特に《夢の弾丸》はケアするのが難しい《ルード・ザーナ》を簡単に突破する、まさに銀の弾丸として役割が期待されています。

【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / パワー10000 / コスト7
■G・ゼロ :コストが異なる自分のクリーチャーが5体以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■バラエティ・ブレイカー (このクリーチャーは、コストが異なる自分のクリーチャーの数、シールドをブレイクする)
■このクリーチャーは、出たターン、相手プレイヤーを攻撃できる。
■このクリーチャーの攻撃中、相手は自分のクリーチャーと同じコストのクリーチャーを召喚できない。
まだまだ環境に出始めなので、今後定着するかはわかりませんが、現在要注目である最もホットなデッキであるでしょう。
環境のまとめと今後の展望
【ファイアー・バード】が消えたあと、少し落ち着いた環境が来るかと思われましたが、そんなことはなく、【サイバー】の一強体制が敷かれています。この環境は半年続く……と思われましたが、新弾の情報も少しずつ出てきています。
個人的に、この【サイバー】環境が突き崩されるとはあまり思えません。しかし、ここで終わらないのがプレイヤーたちの叡智。どんなデッキが【サイバー】の対抗馬となるのか、まずはそこが最大の注目点だと捉えていきたいですね。
おわりに
というわけで、8月のオリジナル環境について解説いたしました。
使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?
この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、9月のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!