【2022年6月環境】アドバンス最強デッキランキング【Tierランキング】

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【2022年6月環境】アドバンス最強デッキランキング【Tierランキング】

はじめに

 王来MAX、早くもCRYMAX!

 日本一決定戦の余韻も冷めやらぬまま、つい先日発売された王来MAX最終弾「切札! マスターCRYMAX」。

 環境に劇的な変化をもたらすカードは登場しなかったものの、今後の環境変遷に関わってきそうなメタクリーチャーや呪文が追加されており、環境変化の予兆を感じさせます。

 今月もアドバンス環境の「今」について、解説していきたいと思います!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

先月からのカードプールの変化

 「切札! マスターCRYMAX!!」のリリースがあったものの、アドバンス環境に限れば大きな変化はなし。

 発売直後ということであまり研究が進んでいない部分も大きく、今後がどうなるかはわからないものの、各文明に配られたコスト2のメタクリーチャーサイクルは環境次第で使われる可能性があると考えています。

 アドバンス環境で特に有用そうなのは、水文明の《飛ベル津バサ「曲津風」》と闇文明の《星空に浮かぶニンギョ》の2種です。

 《飛ベル津バサ「曲津風」》は相手のサーチや山札の上から複数枚を見る行動全般を大きく制限できるジャストダイバー。

 オリジナルでは早速強い存在感を示していますが、アドバンスでも【モモキングJO退化】のメインパーツやドラゴン系デッキ全般に採用される《メンデルスゾーン》・《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》に対して有効なので、一定の効力が期待できるでしょう。

 《星空に浮かぶニンギョ》はドラゴン系デッキや【5cコントロール】等に対するピンポイントなメタになるものの、マナブーストからパワーカードに繋いでいくデッキに対しては痛烈に刺さるアンチカードです。

 デッキトップだけでなくバトルゾーンからのマナ加速も制限するので、アドバンス環境を席巻した《インフェル星樹》による2ブーストも無効化。

 さらに言えば、マナゾーンに置く「かわりに」墓地に置かせるので、ドロー能力すら起動させず徹底的にアドバンテージ獲得を咎めます。

 これらのサイクルに共通することですが、いずれもG・ストライクを持っているため、メタカードの刺さりづらいビートダウンデッキに対してもデッキに入っているだけで一定の役割を持てるのが嬉しい点。

 他にも、十王篇以降にリリースされた超強力な多色カード全般に対しての回答となる《七王無き宮殿》も環境次第ではかなり強力なハンデス呪文です。

 単色デッキでもない限り、デッキの1/3から1/2程度は多色カードで構成されることが多い現環境。

 一部のデッキに対してはまったく効かない融通の効かなさはあるものの、今後も登場するであろう多色カードに対して抑止力として働いてくれそうです。

 いずれもメタ能力の範囲が絶妙に限られるため環境を歪めるほどのパワーはないものの、選択肢として存在することに価値のあるカードたちだと言えるでしょう。

Tier1

【モモキングダム退化】Tier1


 日本一決定戦での大活躍も記憶に新しい【モモキングダム退化】。

 環境でも随一の速度とフィニッシュ力を誇るビートコンボデッキですが、日本一決定戦の舞台では《進化設計図》のリソース力を存分に活かした5〜6マナ域のクリーチャーを召喚して戦うミッドレンジプランも披露され、デッキパワーの高さを見せつけてくれました。

 大型大会に合わせた独自のチューンが数多く考案・公開されましたが、その中には通常のCS環境に定着したデックテクもいくつか存在します。

 現在のアドバンス環境でのトレンドは、「《アルカディアス・モモキング》不採用、《無双龍騎 ボルバル・モモキング》多投」の構成。

 受けるデッキの主流が《ドラゴンズ・サイン》や《最終龍覇 ロージア》を活用するドラゴン系のデッキに移行しており、《アルカディアス・モモキング》1枚で詰むデッキは激減。

 代わりに打点の高さや強制バトルによるブロッカーの突破、シールド2枚を手札に加えるリソース力と多方面でリーサルに繋げやすく、火/自然という文明がマナ色としても優秀な《無双龍騎 ボルバル・モモキング》が採用されています。

 そのほかにも《神帝英雄 ゴッド・モモキング》や《未来設計図》の採用なども、日本一決定戦でもたらされた新たな選択肢です。

 テンプレート化された構築から脱却し、幅が出たことによってさらに受けづらくなった【モモキングダム退化】。

 名実ともに「アドバンス環境のトップデッキ」だと言えるでしょう。


【ガイアッシュ覇道】Tier1



 【4cドラグナー】を追い抜く形でドラゴン系デッキの代表格となり、環境トップへと躍り出た【ガイアッシュ覇道】。

 《インフェル星樹》がもたらした5→8のマナカーブによって《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を早期に召喚する手段を得ながらも、《流星のガイアッシュ・カイザー》による踏み倒し戦術へのカウンター性能は健在。

 《インフェル星樹》を最も強く活用できるデッキとして高いデッキパワーを誇りますが、直近で活躍している基盤は防御面に不安を抱えた構築が大多数でした。

 これを改善すべく、受け札を増量したアプローチが現在の主流となっています。

 バリエーションは何種類か存在しますが、まとまって結果を残しているのは大きく2種。

 ひとつは、《裏斬隠 カクシ・レシピ》と《Dの牢閣 メメント守神宮》を採用した型です。

 手札に持っておけばいつでも機能する《裏斬隠 カクシ・レシピ》は、現環境で最も小回りが効く受け札。

 1枚で完結しているうえにタイミングを選ばず、呪文ロックなどの影響も受けないため、多くの場面で最大打点をピンポイントに押しとどめてくれます。

 《禁断のモモキングダム》以外の攻撃であれば全てストップさせられる【モモキングダム退化】はもちろん、《我我我ガイアール・ブランド》を攻撃前に止められると打点が一気に減ってしまう【赤単我我我ブランド】にも有効で、環境に非常によくマッチしています。

 相手の侵略や革命チェンジに合わせてこのカードで打点を止めながら、ターン終了時に《流星のガイアッシュ・カイザー》を投げる鉄板ムーブも備えており、非ドラゴンながらデッキとの相性も良いといえます。

 一方で受け札としての役割しか持たないため、対面次第では大きく腐るのは欠点です。最低限単色マナ源としての役割を持つのは救いでしょう。

 もうひとつは、《ドラゴンズ・サイン》+《最終龍覇 グレンモルト》のパッケージを採用した型です。

 防御性能を高めつつも、2枚が手札に揃えば5マナでのビッグアクションとして活躍できるため、《流星のガイアッシュ・カイザー》+《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》に頼らないサブプランとしても優秀。

 攻守のバランスがよく、デッキパワーを落とさないのが最大の魅力です。

 ただしデッキのスロットを8枠割いているため初動の枚数や大型ロック龍の不採用など犠牲にしているものは少なからずあり、トリガーする順序やハンドキープに左右されるところも多いため単純な防御札としては《裏斬隠 カクシ・レシピ》ほどの信頼性はありません。

 いずれにせよ以前までの【ガイアッシュ覇道】と比べて防御性能が大幅に向上しているため、迂闊に突撃してしまうと手痛いしっぺ返しを喰らわされる危険性があるのは覚えておきたいところです。


Tier2

【4cドラグナー】Tier2


 根強い人気を誇るドラゴン系デッキのひとつ、【4cドラグナー】。

 《ドラゴンズ・サイン》を起点として《龍風混成 ザーディクリカ》や《最終龍覇 グレンモルト》といったハイパワーなドラゴンたちを複数展開していくデッキで、一定の防御力を保ちながら展開を押し付ける力も兼ね備えているのが特徴です。

 【ガイアッシュ覇道】にお株を奪われつつあるもののこのデッキ自体が弱くなったわけでは当然なく、引き続き一定の活躍を見せています。

 とはいえ、【ガイアッシュ覇道】における《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のような強烈な「押し」が今一歩足りないのも事実。

 ブレイクスルーが発見されなければ、しばらくは【ガイアッシュ覇道】に立ち位置を譲りそうです。


【赤単我我我ブランド】Tier2


 永遠のアグロデッキ最強格として【赤単我我我ブランド】は今なお元気に活躍中です。

 《GIRIGIRI・チクタック》《BAKUOOON・ミッツァイル》を介したGR召喚によって単純な出力はオリジナルのそれを凌ぐアドバンス環境の【赤単我我我ブランド】。

 ですが、【モモキングダム退化】の流行からか、先述した【ガイアッシュ覇道】をはじめとして防御面を強化したデッキが少し増加しており、現在のアドバンス環境ではやや不遇な立ち位置です。

 希望を見出せる部分があるとすれば、【赤単我我我ブランド】に有効なメタカードが非常に限られる点が挙げられます。

 【モモキングダム退化】に対して強いカウンターパートとなる《飛ベル津バサ「曲津風」》やドラゴン系デッキ全般に有効な《星空に浮かぶニンギョ》といった新弾で注目度の高いメタカードとは全くの無縁。

 新弾のメタクリーチャーの中では《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》が厄介なものの、Tier1の2デッキに対して全くといっていいほど効果がないため、採用されることはほとんどなさそうです。

 仮にこれらのメタカードによって環境の構造が大きく変動すれば、大躍進する可能性もあるのではないでしょうか。


Tier3

【青t黒スコーラー】Tier3


 環境の変遷に合わせて密かに立ち位置を良くしている【青t黒スコーラー】。

 そもそも不利ではなかった【ガイアッシュ覇道】は受けに寄った構築が増加しているためより通しやすく。

 【モモキングダム退化】からは《アルカディアス・モモキング》が減少したため安易に「詰む」危険性が低下。

G・ストライクか《堕呪 エアヴォ》さえ踏ませれば返しのコンボ成立を狙いやすくなりました。

 構築自体はほとんど変わっておらず、相変わらず高速ビートダウンにはどうやっても有利がつけられないものの、メタ読み次第では選択肢となりうるデッキです。


【グルメ墓地ソース】Tier3


 オリジナル環境で高い評価を受けている【グルメ墓地ソース】がアドバンス環境にも徐々に侵食中。

 《暴走龍 5000GT》の強さを評価されて開発されたこのデッキですが、アドバンス環境においてはその先——《ブラキオ龍樹》の強さが目を惹きます。

 ドラゴン系デッキはその多くが登場時能力の強力さに依存しており、このカードがひとたび出れば除去する手段はほとんどありません。

 最速で4ターン目に《ブラキオ龍樹》が着地するこのデッキであれば、ほとんどまともなアクションを取らせずにゲームエンドまで持ち込むことすら珍しくありません。

 環境トップを張る【モモキングダム退化】を苦手としているのは環境上厳しい部分ですが、【モモキングダム退化】を倒しに来たデッキに対してはめっぽう強いため、今後次第でより立ち位置を向上させる可能性は十分にありそうです。


【5cドラグナー】Tier3


 《メンデルスゾーン》+《ボルシャック・栄光・ルピア》を初動に用いて、ドラゴン系デッキの足回りを中心に構築された【5cコントロール】といった趣の【5cドラグナー】。

 こちらも日本一決定戦で使用され、好成績を残したデッキです。

 《熱核連結 ガイアトム・シックス》や《滅印連結 ヴァルハルザーク》、《悪魔龍 ダークマスターズ》といった優秀な闇文明のドラゴンが追加採用され、相手への干渉パターンが増加。

 その他、追加のトリガーでありながら《悪魔龍 ダークマスターズ》とのコンボで早期にハンデスを叩き込め、《ドラゴンズ・サイン》からの踏み倒し先としても優秀な《天命龍装ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》。

 マナに5色揃えることで追加の受け札として運用しつつ、【ドラグナー】系統のドラグハート龍解を封殺。

【ガイアッシュ覇道】の《勝利龍装 “クラッシュ”覇道》も後腐れなく処理できるなど、環境でも最高峰の受け札となる《界王類邪龍目ザ=デッドブラッキオ》

 などなど、既存の【4cドラグナー】や【5cコントロール】とは違ったカードチョイスが多く、完全な対応が難しい点も強みとなっています。

 あくまで大型大会用のスペシャルデッキという立ち位置のデッキとして開発された【5cドラグナー】ですが、そもそもの基盤となったデッキパワーが高いため高水準の出力が保証されています。

 今後の環境に定着していくのか、期待の高まるデッキタイプです。

環境のまとめ

今まで

 日本一決定戦以降、その強さが周知された【モモキングダム退化】はバリエーションが一気に開花。

 既存の構築はもちろん、日本一決定戦でお披露目された多数のテクニックを取り入れ、ただでさえ環境最上位だった勢いがますます盛んになりました。

 これに合わせ、【ガイアッシュ覇道】をはじめとするドラゴン系デッキは対抗するように受け強化の流れに。

 Tier1の最上位でこれらのデッキがぶつかり合う中で、ドラゴン系デッキを狩り取るべく【グルメ墓地ソース】や【青t黒スコーラー】といった4ターンでの実質的な決着を狙うコンボデッキが密かな活躍を見せている……というのがこれまでの環境の流れです。

 大枠としてはビートダウン<受けデッキ<コンボデッキ<ビートダウンデッキ……という王道の環境展開ですが、上位デッキの出力が非常に高いため、このまま環境が回り始めるとは一概に言い切れない構造になっています。

これから

 まだ研究は進んでいないながら、最新弾のメタカードは環境に進出する可能性が十分にあるでしょう。

 特に、先述した【モモキングダム退化】や【グルメ墓地ソース】に有効な《飛ベル津バサ「曲津風」》や、ドラゴン系デッキのマナを一気に鈍化させる《星空に浮かぶニンギョ》には注目です。

 これらを使いやすいカラーリングかつメタクリーチャーを維持しながらハンデスでゲームを作れる【アナカラーダークネス】や【ドロマーハンデス】のようなデッキは、性質上Tier上位に居座ることは難しいものの、上位層へのカウンターデッキとして活躍の幅が広がるのではないでしょうか。

 また、特定のメタカードが大規模に流行すれば有効なメタカードが重複しないデッキにとっては活躍のチャンス。

 有効なメタカードが非常に限られる【赤単我我我ブランド】は環境変遷次第で注目度の高いデッキとなりそうです。

おわりに

 というわけで、6月下旬のアドバンス環境について解説いたしました。

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?

 この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、7月上旬のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!

オリジナル環境はこちら!

毎週のメタゲーム解説はこちら


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