目次
とある地方のカードショップにて
「俺は手札・フィールドのモンスター2体を墓地へ送り、 《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》を特殊召喚!!」
「さらにライフの半分を払い、《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》の効果を発動!! 墓地に「ガンドラ」モンスターが2種類存在する場合、 このカード以外のフィールドに存在するカードを、すべて除外する!!『デストロイ・ギガ・レイズ』!!!」
「そして墓地の光属性と闇属性のモンスターを除外して、
手札から《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》を特殊召喚!!」
「さらに手札から《原初の種》を発動! 《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》がフィールドに存在する場合、 除外されたカードから2枚選び、手札に加える!!」
「そしてそのまま、手札に加えたこのカードを発動するぜ!
《友情 YU-JO》!!!!」
「相手プレイヤーに握手を申し込み、相手がそれに応じた場合、お互いのライフは、その合計した数値の半分となる!! そして手札の《結束 UNITY》を見せることで、相手は握手に応じなければならない!!!」
《友情 YU-JYO》
①:相手プレイヤーに握手を申し込む。相手が握手に応じた場合、お互いのLPは、お互いのLPを合計した数値の半分になる。自分の手札に「結束 UNITY」がある場合、そのカードを相手に見せる事ができる。その場合、お互いは握手をして、このカードの効果を適用する。
「握手に応じたことで、お互いのライフは6000となった! そしてそのまま、バトルフェイズ! 《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》の攻撃力は、互いの除外ゾーンのカード1枚につき300アップする!! お互いに除外されているカードは16枚! よって《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》の攻撃力は、4800となる!!! 攻撃力3000の《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》と、 攻撃力4800の《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》で、 プレイヤーにダイレクトアタックッ!!!」
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自己紹介
はじめましての方ははじめまして。
かもめ先生と言います。
前回・前々回は「遊戯王の教科書」と題して、デッキ構築やプレイング指南の記事を書かせていただきました。
今回はそうしたルールの解説や、プレイングの技術のお話ではなく、
いわゆる普通のデッキ紹介として、書かせていただこうと思います。
よろしくお願いいたします。
デッキ紹介
デッキのコンセプト
このデッキは《友情 YU-JO》を発動させながら、さらにその効果を活用し、 さらにその上で、デュエルに勝利することを目的としています。 《友情 YU-JO》は、相手に握手を申し込み、相手が応じればお互いのライフを合わせて半分にする、という効果です。 さらに手札の《結束 UNITY》を見せることで、確実に握手をすることができます。 一見すると、単なるネタカードにも見えますが このデッキはその効果を十二分に活用していきます。
・ライフを合計して半分にするメリット
言い換えれば、自分のライフを減らしていれば減らしているほど相手のライフを奪うことができます。
そうした理由から、このデッキには「ライフの半分を支払う」カードをいくらか採用しました。
・《結束 UNITY》の使い方 確実に相手と握手するためのカードです。 ですがこのデッキではさらに、これを打点強化のカードとしても使います。 このデッキでは特に相性の良いカードとして、《超重剣聖 ムサ-C》を採用しています。
・これらのカードを手札へ持ってくる方法 《原初の種》《機巧蛇-叢雲遠呂智》 《原初の種》 は除外ゾーンのカードを2枚戻せるカードです。 こうした除外からの回収はあまり多くないのですが、その中でも 《原初の種》 は数少ない「裏側表示のカードを戻せる」効果を持っています。 《機巧蛇-叢雲遠呂智》はデッキから8枚裏側表示で除外して、フリーチェーンで特殊召喚できるモンスターです。 それによって除外したカードの中から《原初の種》を使い、《友情 YU-JO》と《結束 UNITY》を戻して発動する、というのがこのデッキの最適ルートとなります。
・「裏側表示で除外」を利用する これは「非公開情報」というもので、自分の手札のように「自分は確認できるが、相手は確認できない」領域に当たります。 《混沌の種》でカードを戻す場合、戻す2枚のカードを「自分は見ることができる」けれど「相手は見ることができない」のです。 この2枚が《友情 YU-JO》《結束 UNITY》だなんて、誰も想像できないでしょう。 「そんなはずはない」という固定観念の崩壊(カタルシス)こそが、まさにエンターテイメントだと私は思います。
理想的な動き方
このデッキで理想となる手札の組み合わせ、 「《ヒーローアライブ》+闇属性モンスター1体」からの動きを紹介していきます。
《D-HERO ダークエンジェル》
①:自分の墓地の「D-HERO」モンスターが3体以上の場合、このカードを手札から捨て、自分の墓地の「D-HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを相手フィールドに守備表示で特殊召喚する。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分が発動した魔法カードの効果は無効化され破壊される。③:自分スタンバイフェイズに自分の墓地からこのカードと「D-HERO」モンスター1体を除外して発動できる。お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから通常魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。
自分ターンのスタンバイフェイズを迎えたとき、手札に《闇の誘惑》か、フィールドに《クロノダイバー・リダン》が存在する場合、墓地の《D-HERO ダークエンジェル》の効果を発動します。(コストは《D-HERO デッドリーガイ》などを使います) 《D-HERO ダークエンジェル》の効果で、互いのプレイヤーは通常魔法カードをデッキの一番上に置くことができます。このとき、こちらは《原初の種》を置きます。 《闇の誘惑》がある場合はそのままドローで引き込み、《クロノダイバー・リダン》の場合は自身の効果でドローして手札に引き入れます。(その場合のコストは、相手のデッキトップの通常魔法を用います) その後、デッキの上からカード8枚を裏側で除外して《機巧蛇-叢雲遠呂智》を特殊召喚します。
その後の展開
この後は、手札・除外ゾーンのカードと相談しながら進めていきます。 それらの中に《友情 YU-JO》《結束 UNITY》が無い場合は、《機巧蛇-叢雲遠呂智》をリンク素材などに使いながら墓地へ送り、再び特殊召喚してデッキをどんどん裏側で除外していきます。
《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》
このカードは通常召喚できない。このカード以外の自分の手札・フィールドのモンスター2体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。①:このカードの攻撃力は除外されているカードの数×300アップする。②:1ターンに1度、LPを半分払って発動できる。自分の墓地の「ガンドラ」モンスターの種類によって以下を適用する。●1種類:このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。●2種類:このカード以外のフィールドのカードを全て除外する。●3種類以上:このカード以外のお互いのフィールド・墓地のカードを全て除外する。
手札に《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》があるのであれば、積極的に使うことができます。 展開さえ整っていれば、除外ゾーンのカードは20枚を超えることもあり、多くの場合6000近い高い打点を出すことができます。
《超重剣聖ムサ-C》
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上 このカードはルール上「超重武者」カードとしても扱う。①:このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。自分の墓地に魔法・罠カードが存在する場合、このターン自分はそのモンスター及びその同名モンスターを召喚・特殊召喚できない。②:このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
また《結束 UNITY》だけ手札にある場合でも、レベル4モンスターと《ジェット・シンクロン》で《超重剣聖 ムサ-C》をシンクロ召喚し、《結束 UNITY》の効果で大幅な打点強化が可能です。 シンクロモンスターである《超重剣聖 ムサ-C》は「超重武者」カテゴリのカードですが、唯一その中でも素材の指定がありません。 「超重武者」シリーズの特性で守備力を攻撃力として扱いながら守備表示のまま攻撃ができるので、《機巧蛇-叢雲遠呂智》と並べるだけでも5000近い打点を引き出すことができます。
「握手」の準備が整ったら……
手札・除外ゾーンの中に《友情 YU-JO》《結束 UNITY》が揃ったならば、ゴールはすぐそこです。 自分と相手のライフポイントを計算しつつ、《機巧蛇-叢雲遠呂智》や《トロイメア・フェニックス》などで相手のカードを除去していきます。 その後は手札にサーチしてあった《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》を特殊召喚、そのまま《原初の種》を発動して、手札に《友情 YU-JO》《結束 UNITY》を揃えます。 そして満を持して《友情 YU-JO》を発動。(《結束 UNITY》を見せながら) 今まで支払ったライフコストを《友情 YU-JO》で補い、そのまま《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》や《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》、《超重剣聖 ムサ-C》で一気に相手のライフを奪ってしまいましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
一度は一人のプレイヤーとして、デッキ紹介もしておこうかなと思い、記事にさせていただきました。
このデッキはもともと、近くのショップで交流会が開かれる機会があったため、それに合わせて構築したものでした。
対戦相手を驚かせる(楽しませる)には、どうすればいいだろうか。
まさにジョークカードともいえる《友情 YU-JO》を使って、さらにその上で勝ってしまったら面白いんじゃないか。
そんな考えを形にしようとして生まれたのが、このデッキなのであります。
遊戯王に限らずカードゲームでは、もっとも優先されるのは「勝つ」ための構築やプレイングですが、
私はこうした、いわゆる「ネタデッキ」や「ファンデッキ」も素晴らしいものだと考えています。
フリー対戦や交流会で使われる「ファンデッキ」も、公式大会やCSを意識した「ガチデッキ」も、
どちらも楽しむことができるというのが、最も良いカードゲームの関わり方だと私は思います。
最後に一つだけ、大事なことをお伝えしておかねばなりません。
《友情 YU-JO》を使用する際は、手をしっかり洗って、清潔な身だしなみでプレイしましょう!!!
ご精読、ありがとうございました。